<F1>先週のアメリカグランプリにおける事件について

ネット上では「アメリカグランプリでの言動」のみを見て「インディアナポリスを走れるタイヤを用意しなかったミシュランが悪い」「危険な事故につながりかねないルールを決めたFIAが悪い」といった意見が目立ち、「アメリカグランプリで特に問題のなかったブリヂストン」を批判する意見はほぼ皆無です。確かに、今年のレースでブリヂストンおよびブリヂストンユーザーは特に問題を起こしていません。しかし、この件で本当にブリヂストンはまったく批判の対象にならないのでしょうか。

ミシュランがF1に復帰してからというもの、ブリヂストンのタイヤがフェラーリ用ともいえるスペックになっており、フェラーリ以外のトップチームにとっては必ずしも使い勝手のよいタイヤとはいえなかったため、徐々にマクラーレンなどのトップチームがタイヤをミシュランに変えてしまうことになったわけで、ブリヂストンがユーザー各チームに公平なタイヤを作っていればマクラーレンB・A・Rブリヂストンユーザーのままだったかも知れず、今回のようにミシュランタイヤに重大な問題があってミシュランユーザーがフォーメーションラップの途中でリタイヤしたとしても、グリッドについたマシンは6台だけじゃなくて10台だったかもしれません。
したがって、今回の問題においては、フェラーリのライヴァルチームをミシュランユーザーにしてしまったブリヂストンにもある程度の責任があると思います。2008年からはタイヤがワンメイク化されるそうですが、そのときになって全チームにタイヤを供給するメーカーが特定のチームに有利になるようなタイヤを作らないようにしてほしいものです。